Re-Start の内容に関するQ&A

Lesson 1〜49 Lesson 50 〜 99 Lesson 100 〜 170

Lesson 内容

Lesson 50

例文2


ここでの also は 「ついでに」 という意味ですか?


ここでの also は DICTIONARY にある通り,「また」「その上」「さらに」 という意味です。つまり 「何かにプラスして」「加えて」 という意味です。

「あなたが下に降りた時に,あなたは,(あなたが取ってくるものに)加えて,私に新聞を取ってきてくれますか?」 ということであり,これを意訳したのがテキストの訳です。



Lesson 50

NOTE



bring something good to you と bring something good for you に意味の違いはあるのですか?


bring は to と for の両方を用いることができ,どちらも日本語では 「…に」 と訳せますが,意味合いは異なります。

to は 「…の所へ」 という 「到達地点」 を表し,for は 「…のために」 という 「利益」 を表します。この違いを強調して訳すと次のようになります:

(a)
bring something good to you
   素敵な物を君の所へもってくる

(b)
bring something good for you
   素敵な物を君のためにもってくる



Lesson 51

解説




「ask 以外の動詞 (cost, take, save, owe, wish) は直接目的語と間接目的語を逆にすることはできません」 と書いてありますが,辞書で調べてみると owe と wish は to を使って逆にできそうな気がするのですが・・・.
toを使って直接目的語と間接目的語を逆にしてはいけないのでしょうか?


実用性の観点から言えば 「wish O to O’」 を覚える必要はありません(文型や語法の記載を重視している Oxford Advanced Learner’s Dictionary やLongman Dictionary of Contemporary English ですら 「wish O to O’」 を掲載していません)。 ひょっとするとお使いの辞書には 「wish ... to V 」 という,to不定詞をとる形が書かれていたのではないでしょうか。

owe に関しては 「owe O to O’」 は可能ですが,上級レベルになってから覚えた方がよい語法で (よって上位レベルのALL IN ONEでは掲載しています),Re-Start の段階では 「owe O’ O」 という第4文型の用法だけを覚えておけばよいと思います。

ただ,「owe O to O’」 は不可能ではないので,例文の下に但し書きを入れておいた方がよかったと感じます。

上記の理由から第2版では初版に含まれていた owe の例文を削除しました。
この変更の際に表の下の説明文では 「6つの動詞」 を 「5つの動詞」 に変更する作業を見落としてしまいました。「6つ」 となっているのは 「5つ」 の間違いです。謹んでお詫び申し上げます。


P.S.
例文3の 「ask O of O’」 は実用性の観点から言えば現段階で覚える必要はないのですが,例外を重んじる大学入試や高校の文法では 「ask O of O’」 が必須知識になっていますので,Re-Start が対象としている学習者を考慮してあえて掲載したという事情があります。




Lesson 51

例文6



I wish you health and happiness は第5文型と感じるのですが...


第5文型(SVOC)であれば,you と health and happiness の間にイコールの関係が成立します。つまり,You are health and happiness という関係が成立することになります。

しかし, you は 「人間」 という生き物であって「健康と幸福」という概念との間にイコールの関係は成立しませんので,第5文型(SVOC)ではなく,第4文型(SVOO)です。

以下の英文なら第5文型です。

 
Smiles make you healthy and happy.
 
微笑みはあなたを健康で幸せにしてくれる。
 ( you = healthy and happy )

 * healthy と happy が形容詞であることに注目。




Lesson 51

例文6


wish や他の基本動詞の使い方について


wish が「願う」という意味であることを知っているだけでは,この動詞を知っているとは言えません。

英語が堪能な人は wish という動詞について次のことを知っています:

1.「wish+名詞」という使い方はできないということ。代わりに「wish for 名詞」という使い方をすること。

2.「wish+that節」でよく用いるということ。またその場合,that節内は仮定法になるということ。

3.「wish+名詞+名詞」という第4文型で用いられるということ。これは挨拶のことばとしてよく用いられるということ。

4.フォーマルな文では want to の代わりに wish to が用いられることがあるということ。

また,同じく「願う」という動詞である hope については次のことを知っています:

1.「hope+名詞」という使い方はできないということ。代わりに「hope for 名詞」という使い方をするということ。

2.「hope+that節」でよく用いるということ。またその場合,that節内は直説法になるということ。未来のことを表す場合は will を用いるが,しばしば現在形で代用されること。

英語ができる人はこのような知識を自らの学習経験の中で身につけており,その結果,wish や hope という動詞を含む英文が瞬時に理解でき,また自分でもそれらを使った英文が上手に作れるわけです。

これはほんの一例ですが,英語が上手になるためには,基本動詞の使い方を詳しく覚えていく必要があります。

Re-Start で文型を詳しく学習しているのは,基本動詞の使い方に強くなるためです。

Chapter 4(文型)に出てくる動詞の使い方を例文と共にしっかり身につけること,そして,平素から基本動詞をまめに辞書で引いて,その使い方(文型)を確かめる習慣を身につけることが大切です。

簡単な英文が正しく書けないとか話せないという学習者は多いと思いますが,基本動詞の学習をおろそかにしていることが原因の一つに挙げられます。



Lesson 52

例文3





Can you make it cheaper? は語尾が下がっているが、これはどういうニュアンスですか?


厳密には,語尾が下がっているのではなく,一旦下げて,最後にやや上げています。

「語尾を上げる」場合と,「語尾を下げてから上げる」場合の間に,意味やニュアンスの違いはありません。

このような 「Yes/Noで答えられる疑問文は,語尾を上げる」と教えられていますが,イギリス人の中には「語尾を一旦下げてから最後に上げる」という発音の仕方をする人が結構います。これはどちらかと言うと中高年のイギリス人に多い印象があります。このセンテンスを吹き込んだ女性ナレーターは30代のアメリカ人ですが,「日本ではイギリス人の友達が多いのでイントネーションが移ってしまった」 と話していました。ちなみに彼女は Re-Start のナレーションの中で両方のイントネーションを用いていますが,両方のイントネーションを知っておく方が学習者のためになると思い,アメリカ英語式に統一することはしていません。



Lesson 52

例文3


I can't afford that. ・・・・ の can は Lesoon 139 にある能力・可能性を示すのでしょうか。


そうです。この表現の can は 「できる」 という 「能力」 を示しますが,afford は日本語に訳出しづらいこと,さらに afford は必ず can('t) と共に用いることから,can('t) の意味を深く考えず, can('t) afford で覚えてください。



Lesson 52

例文4

「はじめまして」 の表現について


Nice to meet you. 以外に,Glad to meet you. や Pleased to meet you. という言い方もあります。

Nice to meet you. は It's nice to meet you. の It's を省略した表現ですが,Glad to meet you. と Pleased to meet you. は,それぞれ I'm glad to meet you. と I'm pleased to meet you. の I'm を省略した表現です。

他に,How do you do? という表現がありますが,これはフォーマル(やや古風)な言い方です。How do you do? に対する返答は How do you do? とするのが一般的ですが,上記の Nice to meet you. などを使ってもかまいません。



Lesson 54

例文3


I don't want you to stay up late. についてですが、

I want you not to stay up late.という言い方は間違いか、間違ってはいないとしても不自然でしょうか?間違っていないとすれば、テストなどで、
「〜しないでほしい」とくると、I want you not to...
「〜してほしくない」なら、 I don't want you to...
としてしまいそうです。


「...にVしないでほしい」 を「want ... not to V」 とはしません。
日本語の「…にVしないでほしい」 と 「…にVしてほしくない」 はどちらも英語では 「don't want ... to V 」 で表すと覚えておいてください。




Lesson 55

例文1




Lesson 53と55にある第5文型中のgetの使い方ですが、どういう場合に補語にtoがつくのか、つかないのかよく分かりません。

He gets me so angry.

I can't get this wood to burn.

これらを、それぞれ、

He gets me to angry.

I can't get this wood burn.

とはならないのでしょうか。




He gets me to angry. と I can't get this wood burn. はどちらも間違った文です。get は補語に 「to+形容詞」 や 「動詞の原形」 を置けないからで,これはこの動詞の使い方に関する決まりです。

どういう場合に補語にtoが付くのか付かないのかは,テキストを読み進めていくと少しずつわかってくるようになっていますが (参考箇所: Lesson 57, 58 や Lesson 99 NOTE),下記にまとめておきますので,参考にしてください。


get O C(補語)
名詞
形容詞
to不定詞
動詞の原形
過去分詞
現在分詞 *

*補語が 「現在分詞」 になる用法は Re-Start では取り上げていません。


Lesson 55

例文1


can't get this wood burnt.とできるのでしょうか。burnは自動詞として用いられているので例文のように補語にto burnがくるのだとは思うのですが、burnは同様に他動詞としても用いられるので上記のような文を考えたのですが・・・。


文法的には可能ですが意味が異なります。

get this wood to burn は 「この木が燃える状態へと持って行く」 → 「この木に火を付けて燃やす」 です。

get this wood burnt は 「この木が燃やされた状態にする」→「この木を焼け焦げた状態にする」 です。



Lesson 57

例文2



「あと1分」と言いたいときはどうすればいいのですか?
DIDTIONARYの解説からすると、another one minute は、「another+数字+複数名詞」に当てはまらないような気がするのですが。


another minute とします。
another は an(=one)+other なので, another one ... は one が余分です。

DICTIONARYの補足に(◆「another+単数名詞」は … )と書いてあるのがこれに当たります。




Lesson 58

例文2


知覚動詞を第五文型に用いる場合と、Lesson 108 のthat節を目的語にとる場合の見分け方のポイントをご指導いただけますよう、お願いいたします。

上記質問(依頼)の背景ですが、Lesson 58 の知覚動詞のAは、Lesson 108 のBのように that節を使って言い換えた場合、時制を一致させ、×のようになるのでは?と思ってしまいます。

同様に、Lesson 58 の@も、that節を目的語とする方法で言い換えると、過去分詞にすればよいような気がしますが、あまり時間差もないでしょうから、そこまですべきかもよくわかりません。(Lesson 37 Fで連続したできごとは同じ時制で良いとなっているので)


Lesson 58Aの第1文は第5文型で,第2文(×の文)は第3文型と見なされます。hear は第5文型(SVOC)で用いる場合と第3文型(SVO)で用いる場合とで意味が以下のように異なります。

【第5文型】 hear O + V原形
OがVする音・声を(直接)耳にする
【第3文型】 hear (that) S + V ...
SがV...だという事実・噂を(間接的に)耳にする


これを Lesson 58Aの2つの文に当てはめると次のようになります:

【第5文型】 I just heard you mention Ms. Jones.

 私はあなたがジョーンズさんのことについて話す話し声を
 (直接)耳にした。

【第3文型】 I just heard (that) you mentioned Ms.Jones.

 私はあなたがジョーンズさんのことについて話したという事実を
 (人づてに)耳にした。



ですから,hear は第5文型を第3文型で言い換えることはできません。



Lesson 59

例文3



the Tokyo Tower について


DICTIONARY の tower の説明には次のように書かれています。

「固有名詞+普通名詞」 の形をした名称には the をつけるのが原則だが省略されることもある。

ここで言う固有名詞とは Tokyo, New York, Pacific, Asia のような名詞を指します。また,普通名詞とは tower, station, university, river, ocean, continent のような名詞を指します。

これを Tokyo Tower に当てはめると次のようになります:

the  Tokyo  Tower
 ↑
固有名詞
  ↑
 普通名詞

Tokyo Tower は全体を一つの固有名詞と見なすので,普通名詞である tower も大文字にします。

同類の 「固有名詞+普通名詞」 をいくつか挙げてみましょう:

 the Pacific Ocean  (太平洋)
 the Mississippi River (ミシシッピ川)
 the Asian Continent (アジア大陸)
 the Tokyo University (東京大学)
 the Heian Shrine   (平安神宮)

ちなみに次のような名詞は 「固有名詞+普通名詞」 ではないので the はつけません。

 Mt. Fuji   (富士山)
 Lake Biwa (琵琶湖)


さて,上記で例として挙げた 「the + 固有名詞 +(大文字の)普通名詞」 のうち,人々の生活に溶け込んでいる (人々が親しみやなじみを感じる) 建造物地名のように扱われる場所(例: 駅,公園,通り) は the を省略するのが一般的です。

「the + 固有名詞 +(大文字の)普通名詞」 は文法的には the をつけるのが正式ですが,日常的にその建造物や場所が言及される場合は,いちいち the をつけていると煩わしく感じられるからです。

the Tokyo Tower は身近な存在と考えることもできますし,また地名のようにも扱われます。ですから the を省略して Tokyo Tower とすることもあります。同じ理由から the Tokyo University を Tokyo University とすることも可能です。例文16で the Heian Shrine が Heian Shrine とされているのは,人々の間で 「平安神宮」 という建造物が地名のように見なされているからです。

「固有名詞 +(大文字の)普通名詞」 において the をつけるか否かで迷った場合はとりあえず the をつけておけば無難です。



Lesson 60

NOTE




なぜ became known を was known にすると 「知られていた」 という状態の意味になるのでしょうか。 was known は 「知られた」 という動作の意味にならないのでしょうか?


一般に 「was [were] +過去分詞」 という過去形の受動態は 「…されていた」 という 「状態」 の意味にも,「…された」 という 「動作」 の意味にもなります (どちらかは動詞の性質や文脈から判断します)。

但し, known は事情が異なります。 known は過去分詞の形をしていますが実質的には 「形容詞」 です(辞書には 「形容詞」 としてエントリーされています)。excited や interested などの感情を表すことばも過去分詞の形をしていますが形容詞です。

ですから 「was known」 は 「was+形容詞」 ということになります。「was+形容詞」 の was は 「…された」 という 「動作」 の意味にはなりません。このことは,次の 「was+形容詞」 の was が 「なった」 という動作に解釈されないのと同じです:

 (a) She was beautiful. 
   「彼女は美しかった」(状態)

この文を 「彼女は美しくなった」 という 「動作」 の意味に変えるには was の代わりに became か got を使う必要があります:

 (b) She became [got] beautiful. 
   「彼女は美しくなった」(動作)

同じことが was known と became [got] known にも当てはまります:

 (c) was known 
    「知られていた」 (状態)

 (d) became [got] known 
    「知られた」 「知られるようになった」 (動作)

(c)の 「知られていた」 は 「その頃すでに知られていた」 ということであり,(d) の 「知られた」 は 「その頃知られた」 ということですから,両者の間には意味の違いがあることに注意する必要があります。



Lesson 62

例文1


I'm not really interested in political and social issues.
私は政治問題とか社会問題とかにはあまり興味がありません。

”否定文はorで受ける、andは用いない”というルールがあるかと思うのですが、ここはどう説明したら良いでしょうか?


「A も B も両方ない」 は 「not ... A or B」 としますが,
この political and social issues は 「政治・社会問題」 という "1フレーズ" の感覚で述べられているので 「not ... A or B」 のケースではなく 「not ... A」 のケースです。



Lesson 62


例文1


politicalの発音ですが、音声を聞くと、ti の後のiにアクセントが来ているような気がしますが、単語単位読むときと文単位で読むときとでアクセントの場所が変わるのでしょうか。一応音声に似せて発音練習しているのですが、liの後のiにアクセントがきていないのが少し気になりました。


スロースピードの英文では li にきちんとアクセントが置かれています。
ナチュラルスピードの英文も li にアクセントが置かれています。スロースピードほどはっきりとはしていませんが。




Lesson 62

例文3


withの音が聞き取れません。どうしてもwではなく、bの音が聞こえてきます。disappointedのあとなのでwが聞き取りにくいだけなのでしょうか。wとはっきり言っているのか、それとも発音上のルールがあってのことなのか教えていただけたらと思います。文法的に考えるとwith(それともat)かなってのは推測はできたのはできたのですが。。。因みに、同じく、Aのwithははっきりと聞き取れました。


そう言われて聞いてみると確かに with はやや聞き取りづらいですね。wi は聞こえますが with の発音は不明瞭です。

前置詞は弱く発音することが一つの原因で,もう一つは disappointed の -d を発音する口の形と w を発音する口の形が異なるため,やや口が "つまずいた"からだと思います。いずれにせよ自然な英語の発音ではよくあることです。

ただネイティブは I was dissapointed ? my exam results の ? の部分が聞き取れない発音であったとしても ? 部分に with か by が来ることを知っていますので w- というかすかな音を耳にするだけで with と "聞こえて " しまいます。英語の学習者もそうなることを目標に,発音だけでなく認識できる語いの量も増やしていく必要があるでしょう。




Lesson 62

例文2

例文3


例文2の service が単数形で,例文3のresults が複数形となっているのはなぜですか?。


service について

例文2のように,service という名詞を 「店・レストラン・ホテルなどのサービス」 という意味で用いる場合は,一つ一つの個別のサービスを表しません。この場合の 「サービス」 は,全体的・包括的なものを表します。

このように全体的・包括的なものを名詞が表す場合は,一般に「不可算名詞」になります。これはちょうど,furniture(家具類)が不可算名詞で,desk, chair, bed, capboard 等が可算名詞であるのと同じです。

例文2でのの service は不可算名詞ですから,a service とか services といった(可算名詞の)使い方はできません。


results について

「試合・試験・選挙などの結果」は,それが一つ試合・試験・選挙であったとしても,一般に results と複数形にします。この点については,Lesson 59 の DICTIONARY の result の項目で補足的に触れている通りです。複数形にする理由は,これらの「結果」が具体的な点数(points, marks)や投票数(votes)を話し手にイメージさせるからだと考えられます。


例文に出てくる名詞の単複が特に気になる時は,辞書で可算名詞か不可算名詞かを,その名詞の意味に注意しながら調べるのがよいのですが,初級・中級レベルの学習者は(他にも行うべき重要な学習が数多くあるので) あまり気にせず,語いと文法知識を増やしていった方がよいでしょう。




Lesson 63

例文2


Lesson60 例文5の 「on the way home」 と 「on the way to work」はどのようにちがいますか?「work」は名詞との説明があります。


どちらも同じ表現です。on the way は 「(ある場所へ行く)途中で」 という意味です。
どこへ行くのかを述べる場合は 「to+名詞」 を付加して 「on the way to ...」 とします。

「図書館に行く途中で」 なら on the way to the library になります。

「職場に行く途中で」 なら on the way to work です。

to の後に副詞の home(自宅に),there(そこへ),here(ここへ)を置く場合は to が不要になり,それぞれ,on the way home, on the way there, on the way here とします。

on the way to ... の the を my, his, her などの所有格にすることもあります。




Lesson 63

例文6


「<人>に知られている」 を 「be known by <人>」 にすると不都合なのはなぜですか?


know と共に用いる 「by ...」 は 「行為者」 ではなく 「判断材料」 と解釈します。つまり 「…によって(わかる)」 という意味で使われます。以下がその例です(Lesson 12 の例文5(Never judge something by its looks.)で使われている by もこれと同じ意味です):

 I'd probably know him by sight.
 
たぶん,見れば(←見ることで) 彼だとわかると思う。

これを受動態にした「be known by ...」 は 「…によって(=…から判断して)わかる」 という意味になります。以下はその例です:

 A man is known by the company he keeps.
 
人は,その人が付き合っている仲間で,わかる。

従って,「<人>によって知られている」 は by以外の前置詞を使うことになり,to がふさわしいと判断されるわけです。

ちなみに「be known +前置詞句」 には他に次のようなものがあります:

 be known as ... 
「…として知られている → …と呼ばれている」

 be known for ... 
「…が理由で知られている → …で有名である」

 
*例文は辞書を使って自分で調べ,ノートに書き留めておきましょう。



Lesson 65

例文4




We were made to wait for half and hour. を We were kept waiting for half and hour .としても同じような意味になりますか?


どちらも同じ意味です。
ニュアンスとしては,be made to waitの方がbe kept waitingより「させられた(forced)」という 「強制」 の意味が強く感じられます。

第5文型の「動詞+目的語+現在分詞」を受動態にした 「be+過去分詞+現在分詞」 はRe-Start ではなく,次のレベルの ALL IN ONE で詳しく学びます (ALL IN ONEの例文85〜87とその解説がこれにあたります)。


【能動態】 They kept us waiting
S V O C
【受動態】 We were kept waiting
O C



Lesson 65

例文4



We were made to wait は We were waited としても同じ意味ですか?


we were waited とすることは文法的に不可能です。wait は自動詞なので受動態にできません。受動態にできるのは目的語をとる他動詞だけです (Lesson 61の3行目〜5行目の説明)。

前置詞の for を付けて wait for (…を待つ) とすれば目的語がとれる形になるので理論上は,we were waited for という受動態は成立しますが,これは 「…を待つ」 の受け身ですから,「待たれる」 という意味になり,テキストの we were made to wait (私達は待たされた) とは意味が異なります。

 be made to wait  「 (人を) 待つ」
 be waited for    「 (人によって) 待たれる」

ただ,「私達が待たれる」 という言い方が日本語で不自然に聞こえるように英語でも we were waited for は不自然に聞こえるので一般的には用いず,代わりに能動態で ... waited for us (…が私達を待った) とします。



Lesson 66


「be+過去分詞+to 動詞の原形」 の熟語に関する補足


say という動詞は 「say+目的語+to 動詞の原形」という第5文型では用いません。にもかかわらず,これを受動態にしたかのような 「be said to 動詞の原形」 という形はよく用います。

suppose という動詞も 「suppose+目的語+to 動詞の原形」という第5文型で用いるのは不自然ですが,受動態の 「be supposed to 動詞の原形」 はよく用います。

think や believe も,「think [believe] +目的語+ to 動詞の原形」という第5文型ではほとんど用いませんが,受動態の 「be thought [believed] to 動詞の原形」 は比較的よく用いられます。

「be+過去分詞+to 動詞の原形」という形の受動態が可能なのは,「動詞+目的語+(to)動詞の原形」という第5文型が可能な動詞である,というのが Lesson 65 の重要なポイントですが,Lesson 66 の表で示した表現は,「be+過去分詞+to 動詞の原形」 という第5文型では(あまり)用いないにもかかわらず 「be+過去分詞+to 動詞の原形」 では(よく)用いるという例外です。Lesson 65 で学習した受動態の変換プロセスをきちんと理解する一方で,このプロセスが当てはまらない例外は熟語として理屈抜きに暗記するという二段構えで学習を進めてください。



Lesson 66

例文1



be said to V と be told to V の意味の区別がうまくできません。


「be said to V」 と 「be told to V」は共によく用いられる受動態の表現ですが,両方を 「Vするように言われる」 と漠然と訳してしまい,その結果,意味の区別がつかなくなっている学習者が多いので注意してください。

「be said to V」 は 「Vだと(世間で)言われている」 という伝聞情報を表しますが,「be told to V」 は 「tell ... to V」(...にVしなさいと言う)の受動態なので 「Vしなさいと(人から)指示される[命じられる]」 という指図[命令]を表します。Lesson 66 の例文1と Lesson 65 の例文2を参考にして,意味の違いをしっかり確認しておきましょう。



Lesson 66

例文1


「He is said to have great influence with the king.」のwithについてですが、「彼の影響力」が「国王」に<向かっている・力を及ぼしている>と考えて当初「with」ではなくて「to」かな?と思ったのですが、この場合toを用いると駄目なのでしょうか?


to ではだめです。to は「到達」を表すので「動作」を表す動詞との相性がよく,have (…をもっている) のような「状態」を表す動詞との相性はよくありません。

with は 「相手」 を表す語ですので,「S have influence with O」 は 「Sが 持っている(have)影響力(influence)の相手(with)はOである」という意味になります。




Lesson 66

NOTE


『[have(get)+O+動詞の過去分詞]は[Oを〜される]という意味になりstolen、brokenなどの悪い経験を表す言葉を用いる』 との記載がございますが、決して悪い経験に限った事ではないように思われるのですがいかがでしょう?

 例: I had the roof repaired yesterday.

「迷惑の受身」は日本語独特の表現であり、「悪い経験〜」との記載が不要かと思われ、ご連絡させていただきました。


I had the roof repaired yesterday. は 「屋根が修理されるように人にしてもらった」 という意味で, Lesson 99 の例文3で取り上げられている 「使役」 の意味です。

「have + O + 過去分詞」 は 「Oが…されるように人にさせる・してもらう」 という 「使役」 の意味が基本ですが,「Oを…される」 という 「受け身(の経験)」 を表すこともあり(特にイギリス英語),その場合はテキストで解説されているように「悪い経験」 を表します。 「悪い経験」 を表していれば 「受け身(の経験)」 ,それ以外は 「使役」 の意味という判断が可能です。

ですから,「悪い経験〜」 という記載は解釈上の重要なヒントであり,必要な記載だと思います。




Lesson 67

例文3
例文5


「should」と「have to」との使い分けを教えてください。


should は 「〜した方がいいよ」 で,have to は 「〜しなければいけない」 です。
辞書を見てご自分でも違いを調べてみてください。



Lesson 67

例文5


Most library books have to be returned within two weeks.
という文の libraryを library'sと所有格にするのは駄目でしょうか。


不自然です。
一般に,「人」 や 「生物」 の名詞で 「…の」 という所有格を表す場合は ...'s を用いますが,「無生物」 の場合は ...'s を用いないのが原則です。

library books は 「名詞+名詞」 の表現ですが,2つの名詞が並ぶと前の名詞が形容詞化して後ろの名詞を修飾します。よって library は 「図書館」 という意味になります。



Lesson 68

例文1,2


(1) (2) の文は受動態の完了形にすると意味が違ってくるのですか?


受動態の完了形にすると意味が違ってきます。

一般に現在完了形の受動態は完了・結果の意味 (=「すでに…され終えている]) に解釈される傾向があります。(1)と(2)を完了形にすると次の意味になります:

(1) My car has been repaired.
 【完了・結果用法】 私の車は修理され終えている。→ 私の車はすでに修理が終わっている。

(2) Elephants have been hunted and killed.
  【完了・結果用法】 象たちがすでに狩られ殺されてしまっている。

(2) を 「象たちが今日まで狩られ殺されてきた」 という継続の意味にするためには以下のように期間を表す副詞句 (下線部分) が必要です:

For centuries, elephants have been hunted and killed for their ivory.
過去何世紀もの間,象は,人間が象牙を手に入れるために狩られ殺されてきた。




Lesson 68

例文2


their ivory は,their が複数形だから,ivory も複数形で ivories としなくてはいけないのではないでしょうか?


複数形にしてはいけません。ここでの ivory は不可算名詞です。 ivory(象牙)と tusk (牙(可算名詞))を混同しないようにしましょう。

ivory は 「象牙」 という意味ですが,これは 「(象牙という)物質」 を表します。物質や材料には輪郭や境界線がないため一つ二つという認識ができず,そのため不可算名詞になります。 また,ivory を 「象牙色」 という意味で用いる場合も一つ二つと数えることができないので不可算名詞です。

但し,ivory には 「象牙でできた製品」 という意味もあります。この場合は可算名詞です。物質や材料の名詞が,それでできた具体的な物を指すことはよくありますが,その場合は可算名詞になります。

their ivories とすることは,「象牙製品」 という意味で使っていることになります。ですから,例文2を Elephants are being hunted and killed for their ivories. とした場合,「(像が)象牙製品を身につけていて,その象牙製品が欲しくて,人間は像を狩っている」 という意味合いになります。



Lesson 69


「to 動詞の原形」 という表記について


本書では 「to不定詞」 のことを 「to 動詞の原形」 という言い方にしています。

本書の解説の基本方針は「文法用語を使うことで説明効率が良くなる場合や学習者が理解しやすい場合を除き,できるだけ文法用語の使用は避ける」ということです。

不定詞とは動詞の原形のことなので,動詞の原形と言った方がわかりよいのでそうしています。

また,「to不定詞」 という言い方をすると,統一性の観点からは,to のない不定詞を 「原形不定詞」もしくは「toなし不定詞」 と呼ぶことになりますが,「to不定詞」とか「原形不定詞」という言い方をするより,「to 動詞の原形」「動詞の原形」と言った方が単純で理解しやすいと思います。



Lesson 69

例文2


The important thing is to keep trying.
この文を一般論として述べるときは Important things are to keep trying. でいいのでしょうか。


この文は特定の事柄について述べる場合と一般論を述べる場合との両方で使えます。

主語を Important things という「複数形」 にすると,イコールを表す be動詞(ここでは are)の後ろの補語は "複数" の行為(すなわち to不定詞が2つ以上)にしなければなりません。




Lesson 70

例文2



anything を everything としてはだめですか?


 I find it hard to concentrate on anything for ...
 
(私は何事につけ,集中力を10分以上維持することが難しいのです)

ここで everything を使うと意味的に不自然です。
everything と anything は共に肯定文で用いることができますが,everything が 「全てのこと」 と 「複数のこと」 をイメージさせるのに対し,anything は 「いかなる(一つの)こと」 と 「一つのこと」 をイメージさせます

「何事につけ,集中するのが難しい」という場合に everything を用いると,同時に複数のことに集中しようとしているかのように聞こえます。anything にすれば,「どんな一つのことにも集中できない」 という正しい意味になります。


【anything についての補足】

学習者から受ける質問に,疑問文における anything と something の違いを説明して欲しいというものがあります。
疑問文における anything は,単なる質問を行う場合に用います:

   Do you know anything about that?
   
(そのことについて何か知っていますか?)

一方,疑問文における something は,相手に何かを勧める場合に用います:

   Do you want something to drink?
   
(何か飲む?)

  
* この文は,You want something to drink, do you? という形に
     置き換えて考えると理解しやすい。




Lesson 70

例文2と4


I find it ... の it は何を指していますか?
例文4でも made it easier の it は何を指しているのでしょうか?

Lesson 53 では椅子のことであるのは解るのですが。


it は後に置かれたto不定詞を指すことができます。
このレッスンのポイントは 「it が to不定詞を指す場合」 のいくつかのパターンを覚えることです。例文では it が指すto不定詞を示すために,to不定詞が太字にされています。

従って,例文2の it は to concentrate を,厳密には to concentrate on anything for more than 10 minutes を指します。

例文4の it は to look を,厳密には to look things up を指します。但し,例文4の場合は,to look things up を for individuals が修飾しているので,それも含めた部分が it の指す内容と考えます。

第5文型の O に it ... to不定詞の it を置いた 「S V it C to不定詞」(it = to不定詞)という形がどうも飲み込めていないようですので,もう一度,このレッスンの説明をよく読み,このパターンをしっかりと体得してください。it が指すto不定詞を意識しながら(CDの音声をモデルにして)例文を何十回と音読してください。




Lesson 70

例文4


この文は現在完了形でなければならないでしょうか?

この場合、単純に過去形であったとしても、一旦(調べものをすることが)容易になってしまえばその後も容易であり続けるのは明白だと思うので、わざわざ現在完了形にしなくても良いのでは?と考えました。



「現在もその状況が続いているのが明白だからわざわざ現在完了形にしなくてよい」 と考えるのではありません。

「最近の過去に起こった結果今そうなっている」 ということ,つまり "現在の状況" を相手に伝えたい場合は現在完了形にし,「過去にこんなことが起こった」 という "過去の事実" を相手に伝えたい場合は過去形を用にする,ということです。

 (a) The Internet made it easier ...
   インターネットは...を容易にした
(これは過去の事実である)

 (b) The Internet has made it easier ...
   インターネットによって...が容易になっている
(これが現在の状況である)

(a)と(b)のどちらが正しいか,という問題ではなく,"どちらの意味にしたいのか" という話し手の選択の問題であり,テキストの例文では,話者は現在の状況を伝えようとして (b) を選んだということです。




Lesson 71

例文4



「for 6 am」 は,なぜ for なのでしょうか?
「at 6 am」 ではだめなのでしょうか?


  set the alarm (clock) for ...

この表現の 「for ...」 には 「…(する)ために」 という 「目的」 の意味が感じ取れます。
つまり 「…時にベルが鳴るように(するために)目覚ましをセットする」という意味です。

これに対し 「at ...」 は 「…時に」 という単なる時点ですから,「…時に(なった時点で)目覚ましをセットする」 のように聞こえます。つまり,「…時にベルが鳴るように目覚ましをセットする」 という意味ではなく,「…時に(なった時点で)目覚ましのセット・ボタンを押す」 のように聞こえるのです。



Lesson 71

例文4


Lesson16では、「p.m.」という様に、「p」と「m」の後に、ピリオドがありますが、Lesson71では、「am」という様に、ピリオドがありません。何か違いがあるのですか?


ピリオドを付けるのは主にアメリカ英語です。
ピリオドをつけないのは主にイギリス英語です。

Mr.
Mrs.
Ms.
Dr.

などの場合も同様で、
ピリオドを付けるのはアメリカ英語、付けないのはイギリス英語です。



Lesson 73

例文5



Did you manage to find out how to fix it? という文章を
Have you managed to find out how to fix it?
(現在完了形が間違っているかもしれませんが)
と現在完了形にしても意味は変わらないのでしょうか。


日本語に訳すとどちらも同じですが,英語の意味合いは少し異なります。

Did you manage to ...? という過去形は 「なんとか…したのですか?」 という意味で,「過去」 の事実に話し手の意識があります。「(で,あの後結局)君はそれの直し方がわかったのかい?」 という感じです。「わかったのか,わからなかったのか」 という事実を尋ねています。

Have you mananaged to ...? という現在完了形は 「なんとか…し終えて(今に至って)いるのですか?」 という意味で,「現在」の状況を尋ねています。「君はなんとか(頑張った結果) 今現在はそれの直し方がわかっているのかい?」 という感じです。「今わかっているのか,わかっていないのか」 という現在の状況を尋ねています。

「なんとか…できたの?」 という疑問文は 「できたのか否か」 という事実を問題にしていることが多いので,Did you manage to ...? という表現の方がよく耳にします。




Lesson 73

例文7



「where to draw the line」 は、なぜ 「where the line to draw」 にならないのですか?


what や which は 「what 名詞 to V」 「which 名詞 to V」 という形が可能ですが,「where 名詞 to V」 とすることはできません。

「what 名詞 to V」 「which 名詞 to V」 という表現における what と which が,それぞれ後ろの名詞を修飾している点に注目しましょう。

what と which は代名詞の働き以外に形容詞の働きがあるので(Lesson 20 例文3〜5で学習),後ろに名詞を置いてその名詞を修飾することができますが,where は副詞の働きしかないので後ろに名詞を置いてその名詞を修飾することはできません。

「疑問詞+名詞+to V」 という表現では必ず,「疑問詞」が形容詞として後ろの「名詞」を修飾していなければならないということです。



Lesson 74

例文1


say to you を tell you に置き換えても意味は同じですか?


(a) は say の目的語が something であるのに対し,(b) は tell の(直接)目的語が something になりますので,(b) も文法的には正しい文です。

ニュアンス的にはやや異なります。(a) は相手に対して何か文句を言おうとしている[一方的に意見をしようとしている]感じがするのに対し,(b) は単に相手に何らかの情報を与えようとしている[相手と情報を共有しようとしている]感じがします。この違いを訳に反映すると次のようになります:

(a) I have something to say to you.
   
君に(ちょっと)言いたいことがあるんだけど。

(b) I have something to tell you.
   
君に話したい[教えたい]ことがあるんだ。



Lesson 75


Lesson 74 〜 Lesson 76 で混乱しておりご教授ください。

to不定詞の意味上の目的語になっている名詞の一部は、to+自動詞の後の前置詞の省略が必要であるというふうにLesson 75を理解したのですが、Lesson 76でそれは"意味上の目的語ですらない"ととれる説明があり、わけがわからなくなりました。

前置詞があろうがなかろうが、Lesson 74, Lesson 75 にでてくる内容は「to+動詞の原形」の意味上の目的語と解釈するとまずいのでしょうか。
Lesson 75 にでてくる名詞は、toの後にそれを意味上の目的語とする他動詞も置けないということ???ですか?


Lesson 74 の表現における 「名詞」 は 「to+動詞の原形」 の意味上の目的語です。
Lesson 75 の表現における 「名詞」 は 「to+動詞の原形+前置詞」 の意味上の目的語で,この(「名詞」が place, way, time, money など)の場合は 「前置詞」 が省略されます。

Lesson 75 の表で示されている7つの表現のうち, time to V, money to V, effort to V などは 「to V」 に「to+他動詞」 を置き,その 「他動詞」 の意味上の目的語が time, money, effort などになる場合もあります:


 kill time(時間をつぶす)
  ↓
 time to kill (つぶす時間)


 give you money (君にお金を与える)
  ↓
 money to give you (君にあげるお金)


 make effort (努力をする)
  ↓
 effort to make (払うべき努力)


to不定詞の形容詞用法の理屈が難しいと感じたら,Lesson 75, Lesson 76 の説明にはあまりとらわれないようにし,Lesson 74 の 「名詞+to+他動詞」 「名詞+to+自動詞+前置詞」 における 「名詞」 が to不定詞の目的語になる点だけに注意を払ってください。




Lesson 78

例文5




「you are lucky to be alive」 の 「be」 はなぜ必要ですか? この be の意味は何ですか?


be を削除して You are lucky to alive. とすることはできません。to の後ろには動詞の原形が必要であり,alive は形容詞であって動詞ではないからです。

ここでの be は 「…である」 「イコール…だ」 という意味です。以下の2つの are もこの意味です:

 You are lucky. (君は幸運だ)
 You are alive. (君は生きている)

一般に,lucky は 「幸運だ」 と訳し,alive は 「生きている」 と訳されますが,厳密には 「幸運で」 「生きて」 といったやや 「中途半端」 な意味であり,それを 「幸運だ」 「生きている」 と完結させるのが be の働きだと言えます。beの意味をあまり深く考えると学問になりますのでやめておきましょう。

ちなみに lucky という形容詞は that節を取り,その内容を表すことができるので,例文5は次のように言いかえることもできます:

 You are lucky that you are alive.

 (君は生きていて幸運だ)



Lesson 81

例文1




in a zoo という表現がありますが、これは in zoo ではダメなのでしょうか。
at school みたいな感じで、in zoo でも可な気がするのですが。


in zoo では意味をなしません。
前置詞の後に無冠詞単数形の名詞を置く場合,その名詞は「機能・目的」を表すことになります。

at school や go to school の school は施設・建物としての学校ではなく,school のもつ機能・目的である 「学校教育」 という意味になります。つまり at school は 「学校教育の場にいる」→ 「学校で勉強して」 「在学中で」 という意味になります。at a school なら 「ある学校(施設)で」 です。

同様に go to church と言う場合の church はその機能・目的である「教会での礼拝」 を表すので 「教会にお祈りに行く」 という意味になります。go to a church という場合は church を建物と見なしているので 「ある教会に(礼拝以外の目的で)行く」 という意味です。

zoo に話を戻しますが,zoo には school や church のような明確な 「機能」「目的」 がありません。ですから in zoo と言われてもピント来ません。in a zoo なら 「動物園 (という施設) の中にいる」 ことになり意味をなします。


Lesson 81

例文5


「スポーツをする」 を do sports にすると絶対に間違いですか?


「スポーツをする」(スポーツの種類を問題にせずに) という表現は play sports が一般的です。do sports と do を用いる例も散見されますが,これをずさんな言い方と見なすネイティブは少なくありません。ちなみに google で "What sports do you do?" を検索すると次のような結果になります:

  What sports do you do?    (924件)

これに対して "What sports do you play?" は次の結果になります:

  What sports do you play?  (13,800件)

検索結果からは do sports が play sports の13分の1程度の使用頻度であることがわかります。

一般にネイティブが play sports と play を用いるのは,sports ということばを聞いたときに baseball や football のような games を思い浮かべるからで,まれに do sports と do を用いることがあるのは,play という動詞では表現できないスポーツ,例えば 「体操」 「ジョギング」 「水泳」といった行為 を話し手が意識する状況があるからだと考えられます。

いずれにせよ,一般的に 「スポーツをする」 と言う場合には do sports を用いることは避けた方がよいでしょう。


Lesson 82

例文7


I seem to have forgotten your name と I seem to forget your name の違いについて



例文7を 完了形を使わず,単純形で I seem to forget your name. とした場合, 「私はあなたの名前を忘れているみたいです」 という例文7と同じ意味になりそうですが,そうはなりません。

forget は 「忘れる」 という繰り返しの動作を示唆するからです。次の比較を見てください。

(a) I seem to have forgotten ...
  
(現在までに・現時点で)私は…を忘れてしまっているようです。

(b) I seem to forget ...
  
(習慣的に・いつも)私は…を忘れるようです。

(a)は現時点での状況を述べていますが,(b)は繰り返しの動作・習慣的な動作を述べています。従って次のような文で用いるのが一般的です:

 I seem to forget all my problems when I'm singing.
 
私は歌を歌っていると,自分の悩みを全て忘れるみたいです。
 
*この文は 「私」 の習慣について述べている。



Lesson 83


”例文@の動名詞は 「To travel abroad」 に,Aは 「to take care of our garden」に,Bは 「to rain」 にそれぞれ置き換えが可能です” 

と書いてあります。ここでの To不定詞と動名詞で何か使い分けの基準はあるのでしょうか?

(昔なにかの参考書で、To不定詞は仮定的なことを述べる場合に使い、動名詞は実際に起こっていることを述べるのに使うというような主旨のことが書いてあったのを記憶しています。)



動名詞とto不定詞(名詞用法)が相互に置き換え可能な場合,両者の違いは,「仮定」か「実際」かの違いではなく,文語的か口語的かの違いです。動名詞はto不定詞よりも口語的(一般的)な言い方です。

特に,To travel abroad is one of my favorite things. のようにto不定詞を 「主語」 で用いるスタイルは古めかしいか,かなり堅い言い方です。 To不定詞が主語に置かれる形にはことわざが多いのはそのためです。あえて格言ぽく言いたい場合にはto不定詞を使うと効果的ですが,一般的な会話では動名詞を用いた方が自然です。



Lesson 83

例文3



I'll が聞き取れないのですが。


I'll, I've, I'd のような 「I+助動詞の短縮形」は聞き取りづらいものです。助動詞の短縮形は非常に弱く発音しますので,ナチュラルスピードで話される場合の I と I'll の区別,I と I've の区別,I と I'd の区別は,1度で聞き分けるのが困難です。
手がかりとしては,I'll は 「ア(ル)」という感じ,I've は 「アイ(ヴ)」,I'd は「アイッ(ド)」という感じで(( )の文字はかすかに発音する要領で),自分でも助動詞を意識して弱く発音練習してみることです。

また,もう一点非常に重要なことがあります。それは,英語の聞き取りを単に音の問題だけだと考えないことです。たとえば,ネイティブは日常的な会話の中で,I と I'll の違いを慎重に聞き分けようと努力しているわけではありません。そもそも,相手の発することばを一字一句集中して聞いているわけではありません。にもかかわらず,I と I'll の違いがわかるのは何故でしょうか。

ネイティブは,単に音だけに頼るだけでなく,前後の文脈や文法的な知識を総動員して,すなわち英語の総合力で聞き取れなかった部分を補いながら,相手のことばを聞き取っています。例文3でこれを検証してみましょう。

例文3は It's started raining (雨が降り出したよ) ということばで始まります。これに続くことばはどちらが意味的に正しいでしょうか。

 It's started raining, so ( I drive, I'll drive ) you home.

Re-Start の Lesson 28(現在形)で現在形の持つ基本的な意味をしっかり身につけていれば,答えは瞬時にわかったはずです。以下で比較をしてみましょう。

 It's started raining, so I'll drive you home.
 
(今雨が降り出した,だから私は君を家まで送るよ) 
  【現在の意志】


 It's started raining, so I drive you home.
 
(今雨が降り出した,だから私は君を家まで(日頃)送っている)
  
【現在の習慣】

仮に I か I'll かが聞き取れなかったとしても,また,相手が明瞭に発音しなかったとしても,ここは意味から I'll が正しいと判断ができます。(ただし drive you home が聞き取れなければどちらが正しいかの判断はできませんが)

このことは,I か I've か,I か I'd(= I would, I had)かという区別にも当てはまります。

英語の Listening comprehension(=聞き取り理解)が他の技能よりも難しいのは,単に音の聞き取りだけの問題ではなく,瞬時に認識できる語いの量や文法知識が必要だからです。

残念ながら,英語の聞き取りは短期的に飛躍的にうまくなりません。それは「聞き取り能力=英語の総合力」だからであり,英語の総合力は一朝一夕には獲得できないからです。ちなみに,TOEICで900点台という人も,実は映画の英語は半分ぐらいしか聞き取れません(難しいものなら3分の1ぐらいしか聞き取れません)。

繰り返しになりますが,まずは 「英語の総合力」 をつけるために,このテキストの内容をきちんとやり終えることです。それをベースにして,英語のインプット(リーディングとリスニング)を増やしていくと徐々に聞き取れる英語が増えていきます。英語のできる人はみなこの過程を経ています(我々通訳者も同じです)。このことを信じて辛抱強く続けることです。それが一番の近道です。魔法のようなテクニックはありません。


Lesson 84


[A] および [C] において like と love がありますが,like to V および love to V に助動詞として would を付けた場合は「自動的」 に would like Ving や would love Ving のように変形するのでしょうか?


なぜ like to V や love to V に would をつけると would like Ving や would love Ving に変化するとお考えになるのかがわかりませんので,どう答えて良いのかがわかりません。テキストに書かれているのは次のことです。

● like と love が 「習慣的な好み」 を表す場合は to不定詞と動名詞の両方を目的語に取ります。

 like to V / like Ving (Vすることが好きだ)
 love to V / love Ving (Vすることが好きだ)

● would like と would love は 「(発話時点の) 願望・欲求」 を表します。この意味の場合,目的語は必ずto不定詞で,動名詞を取ることはできません。

 would like to V (Vすることを望む → Vしたい)
 would love to V (Vすることを望む → Vしたい)

これらの違いは,Lesson 149 の Note で再度説明されていますので,お読みになると理解が深まると思います。


Lesson 85

例文4


この文でのtakeはどのような意味になりますでしょうか?


大雑把に言えば 「…をつかむ」,より厳密に言えば 「…を利用する」 といったところです。

「たばこをやめるためにこの機会をつかむ・利用する」 ということです。



Lesson 85

NOTE



「stop to不定詞」 についてより詳しく


まず,stop という動詞は自動詞と他動詞の両方で用います

【自動詞】 
・今行っていることをやめる[中断する]
・立ち止まる,乗り物を停車する

【他動詞】
・〜をやめる[中断する]

そして,stop の後ろに to不定詞 (to V と表記) が置かれる場合は必ず stop は 「自動詞」と解釈されます。それゆえ to V は(他動詞の目的語に置かれる) 名詞用法にはなりえず,その代わりに 「副詞用法 (目的の意味)」 と解釈されます。この結果 stop to V は 「Vするために,今行っていることをやめる[中断する]」 ,もしくは,「Vするために立ち止まる[乗り物を停車する]」 という意味になります。

一方, stop Ving という表現では stop は必ず 「他動詞」 になります。そしてこの他動詞の目的語が動名詞の Ving になります。よって stop Ving は 「Vすることをやめる[中断する]」 という意味になります。

以上は決まり事です。

一つ注意して欲しいのは, stop to V という表現における stop の意味です。学校ではこの自動詞の stop を 「立ち止まる(=歩くのをやめる)」 とだけ教えますが, 「今やっていることをやめる[中断する]」 」 とか 「車を停車する」 といった意味でもよく用います。Lesson 85 の Note の例文が 「立ち止まる」 という学校で教えられる意味でなく 「作業を中断する」 という意味にしてあるのは,この事実を学習者に知ってもらうためです。



Lesson 86

例文5と6

try to V と try Ving の違いについてより詳しく



try to V は 「Vしようと頑張る」 という意味です。try Ving は 「試しにVする」 という意味です。前者は実際にVできたかどうかが不明ですが,後者は実際にVする[Vした]ことになります。

この意味の違いは次のように過去形にするとよくわかります。

 (A) I tried to lift it. (私はそれを持ち上げようとした

 (B) I tried lifting it. (私は(試しに)それを持ち上げた

つまり,(A) は持ち上げようと頑張ったと言っているだけで,実際に持ち上げられた [持ち上げた] かどうはわからないのに対して,(B) は試しに持ち上げてみたと言っているので,実際に持ち上げたことになります。




Lesson 86

例文6


"try to V" と"try Ving" のことで教えてください。
try Ving は「試しにVする」という意味で、実際にVする[Vした]ことと説明にはありますが、例文6は実際にはへびを飼っていませんよね。だったら、Do you want to try to keep a snake? になるのかなと思いながら、例文6との違いがよく分かりません。例文6と上記の文ではそれぞれ「ためしに飼いたい?」で、「がんばって飼ってみたい?」という違う解釈になるのでしょうか。


try to V は 「Vしようとする」 という意味です。言い換えると 「Vしようと頑張る」 ということです。 よって,次の文は意味がはっきりしません:

 Do you want to try to keep a snake?
 あなたは蛇を飼おうと頑張りたいですか?

他方,try Ving は 「試しにVしてみる」 という意味です。単純に言えば 「Vする」 ということです。ですから,次の(テキストの)英文は自然です:

 Do you want to try keeping a snake?
 あなたは蛇を飼いたいですか?




Lesson 87

例文5


issues such as this. の部分ですが、issues とthis の関係がはっきりわかりません。this を these にしたり、issues を単数にしてはいけないのでしょうか。AIO 37の例文では .. a jewel such as this. で(単数)such as this になっています。



次の形が可能です。

  issues such as this   (これに似たさまざまな問題)
issues such as these   (これらに似たさまざまな問題)
an issue such as this  (これに似た一つの問題)


つまり,「BのようなA」 という場合 「A such as B」 「A like B」 という言い方ができますが,A と B の単数・複数の関係は次のようになります:

  単数形 such as / like 単数形
複数形 such as / like 単数形
複数形 such as / like 複数形



Lesson 87

例文5


such as の修飾関係がよく分かりません。

A like B(BのようなA)では like が前置詞なので、like B が形容詞句としてAを修飾しているのは分かります。

such as の as は前置詞で『例えば(…のような)』と言う用法がありましたので、これだと思うのですが、such は副詞・形容詞・代名詞のどれになるのでしょうか?あまり気にせずに、二語で決まり文句の形容詞句と看做してもよいのでしょうか?

今までは、そのように覚えていたのですが、他の質問掲示板で『such as (代)名詞』の場合も、suchが代名詞でasが関係代名詞だという回答を見付けてしまったため、迷っています。これだと、名詞(issues)の後に代名詞が来て、さらに関係代名詞が来て、さらに節を導かずに(代)名詞が続くと言う事になるのですが、そういう用法でしょうか?



前置詞として用いる as に 「…のような」 という意味があることを覚える必要はありません。

such as で 「…のような」 という意味の「前置詞」と覚えておけば十分です。(such as の such の品詞が何かを考えても英語力の向上にはつながりません)




Lesson 89

例文1


I hope you don't mind me leaving now.

本文は、me leavingがOと解説されておりますが、
meがO、leavingがCととらえるのは良くないのでしょうか?
下し訳でも、私が、去ることを、とされていて、
OがCする第5文型に見えるのですが。



mind は目的語に1つの名詞か動名詞だけをとる動詞で,動名詞をとる場合は 「mind Ving」 (mindがV,VingがO) になります。この動名詞に意味上の主語を置いた 「mind <意味上の主語> Ving」 がテキストの英文です。ですから,S + V + O の第3文型です。

テキストの me は動名詞の意味上の主語ですから所有格の my にすることも可能です。

第5文型の O は必ず目的格 (me, him, us など) で表しますから,もし mind me leaving が第5文型 (SVOC) であるならば, me を my にすることはできなくなります。



Lesson 89

例文5




That's too bad about your trip being canceled.
旅行が中止になって残念ですね。

この文を That's too bad about
being canceled your trip. としてはだめですか? cancel は後ろに目的語(your trip) を取らないのでしょうか?


being canceled your trip は文法的に間違いです。
cancel は2つ目的語をとることができない動詞なので,受動態にした時に後ろに名詞 (=目的語) が残りません。

説明しやすいように動名詞の being を原形の be に変えて考えてみます。

 be canceled  your trip 
(旅行が中止にされること??)

これは be canceled という受動態の後ろに your trip という名詞が残る形です。この 「be+過去分詞+名詞」 が可能なのは,2つ名詞をとることができる動詞,すなわち第4文型か第5文型の動詞だけです(この点についてはLesson 64で詳しく説明されているのでよく復習してください)。辞書を見ればわかるように,cancel は第4[第5]文型では使えません。 「cancel+名詞1+名詞2」 という形にはできないのですから,この 「名詞1」 を主語にした形である 「名詞1+be+canceled+名詞2」 という受動態も作れません。




Lesson 89

例文5


That's too bad about your trip being canceled

を次のように言い換えると間違いでしょうか?

 a) That's too bad for your trip to be canceled.
 b) That's too bad that your trip was canceled.
 c) It's too bad that your trip was canceled.


c) は文法的に正しい言い方です。

a) は主語の That が for your trip to be canceled を指すことができないので間違いです。
b) は主語の That が that your trip was canceled を指すことができないので間違いです。

a) は主語を It に変えて It's too bad for your trip to be canceled. にすれば(It は後方の to不定詞を指すことができるので)文法的には正しい文になりますが,この文は 「旅行が中止になるというのは残念なことだ」 という一般論を表すので,テキストの例文とは意味が異なります。

一般に,「It is ... to不定詞」 や 「It is ... that節」 はやや堅い言い方なので,c) の It's too bad that your trip was canceled. は会話文としてはやや不向きです。ここは,That's too bad. という会話の常套表現を用い,それに about 以下で補足を加えるという形が最も会話的で自然です。




Lesson 89

例文5


「旅行が中止になったこと」は文の書き手にとってはすでに知っていること(=過去のこと)なので、That's too bad about your trip 「having」 been canceled. でも良いのかな、と思ったのですが文意が変わってしまい、表現的にはよくないのでしょうか?


それでも良いです。

「旅行が中止になった」 は 「過去」 もしくは 「現在完了(結果用法)」に解釈するのが自然です。つまり,your trip was canceled もしくは your trip has been canceled です。これを 「意味上の主語+動名詞」 にすると your trip having been canceled になります。

一方,テキストの your trip being canceled は your trip is canceled (あなたの旅行は(現在)中止である) という現在の状態を表します。これも間違いとは言えませんが,時制をややルースに捉えています。

では,なぜテキストが having been canceled になっていないか,ということですが,ネイティブの表現選択の判断基準の一つに,"話し言葉" では 「複雑な形の表現は避ける」ということがあります。having been canceled という 「完了+受け身の形」 はネイティブにとっても複雑な表現と受け止められます。よって,話し言葉では being canceled の方が好まれます。一方,書き言葉であればこのような場合は having been canceled とする方がよいでしょう。



Lesson 89

動名詞の意味上の主語について


動名詞の前に動名詞の行い手(動作主)を置くことがありますが,この行い手のことを 「動名詞の意味上の主語」 と呼びます。これは 「動名詞の行い手」 とか 「動名詞の主語」 と呼んでもかまわないのですが,「文の主語」 と区別するために文法用語では 「動名詞の意味上の主語」 「to不定詞の意味上の主語」 「分詞(構文)の意味上の主語」 という言い方をします。

Re-Start を終了後,さらに文法学習を進める際にはどんな参考書を用いても 「動名詞の意味上の主語」 ということばが使われますので,Re-Start でもこの用語を使用しています。

「動名詞の意味上の主語」や「to不定詞の意味上の主語」は次の2つの場合に用います:

(a) 動名詞やto不定詞の行い手を示す必要がある場合
(b) 動名詞やto不定詞の行い手が文の主語と異なる場合


まずは(a)の例を考えてみましょう。
次の文では,to不定詞の行い手が誰であるかは述べられていません。

  It is dangerous to walk alone at night in this neigborhood.
  
(この辺りを夜一人で歩くことは危険です)

これに 「女性が」 という意味上の主語を置くと次のようになります。

  It is dangerous for women to walk alone at night in this neighborhood.
  
(女性がこの辺りを夜一人で歩くことは危険です)

次は (b) の例です。
次の文では,動名詞の行い手は示されていないので,動名詞の行い手は自動的に文の主語である Mary になります。

  Mary couldn't imagine raising five kids.
  
(メアリーは(自分が)5人の子供を育てるなんて想像できなかった)

これに her という意味上の主語を置いてみましょう。

  Mary couldn't imagine her raising five kids.

この場合,注意すべきことは,動名詞の意味上の主語である her は Mary とは別の女性であるという点です。なぜなら,意味上の主語は文の主語と異なる場合にのみ用いるのが原則だからです。それゆえ,Mary と her は別人と見なされ,「メアリーは,彼女 (例えばスーザン) が5人の子供を育てるなんて想像できなかった」 という意味になります。


Lesson 93

例文1




n
orthern India とありますが, Northern India ではいけないのでしょうか? どちらもあり得るとしたらニュアンスの違いがありますか?


Northern ... という大文字にすると固有名詞 (すなわち地名や団体名など) になります。

「インドの北(部)」 は northern India になります。固有名詞 (地名) ではないので Northern India と大文字にはしません。

他方,例えば 「北アイルランド」 や 「北欧」 は固有名詞 (地名) なのでそれぞれ Nothern Ireland, Northern Europe と大文字にします。

大文字表記は固有名詞であることをお忘れなく。


Lesson 93

本文解説


解説がやや不親切だったようですので,例文1の次から始まる解説をより丁寧に解説し直してみます。


今度は「動詞+副詞句」を現在分詞(句)に変えてみます。つぎの2つの例を見てください:

 (a) sit(動詞) + over there(副詞句)
    
「そこに座る」

 (b) wait(動詞)+ to get in(副詞句)
    
「中にはいるために待つ」

(a) の over there は sit を修飾しているので sit の後ろに置かれています。また (b) の to get in は wait を修飾しているので wait の後ろに置かれています。

これらの動詞句を現在分詞句に変えるとそれぞれ次のようになります:

 (a) sitting over there
   
「そこに座っている」

 (b) waiting to get in
   
「中にはいるために待っている」


このようにしてできた現在分詞句は 「形容詞」 の働きをするので名詞を修飾することができますが,2語以上のことばから成立している形容詞なので,(先の 「他動詞+目的語」 を現在分詞句にした場合と同じく) 修飾する名詞の前ではなく 「後」 に置きます。

例えば,「そこに座っている少女」 「中にはいるために待っている人々」 は次のようにして表します:

 (a) a girl sitting over there
    
「そこに座っている少女」

 (b) people waiting to get in
    
「中に入ろうと待っている人々」


これを次のようにしてはいけません:

 
× a sitting girl over there
   
 「そこにいる,座っている少女」

 
× waiting people to get in
    「中に入るための,待っている人々」

このようにすると,over there は girl を修飾し,to get in は people を修飾する形になってしまうからです 。over there は sitting を修飾しているのだから sitting over there に,また,to get in は waiting を修飾しているのだから waiting to get in にしなければなりません。修飾する語とされる語は隣り合わせにしなければいけません


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ここから先はかなり余裕のある人(=上級者レベルであえて Re-Start をお使いの方ならびに英語教師の方)だけ読んでください。

「待っている人々」 とだけ言う場合は waiting people としてもかまいませんが,「座っている少女」 と言う場合に a sitting girl とするのはよくありません。

一般に現在分詞が名詞の前に置かれる場合,その現在分詞は発話時点での状態を表すのではなく,名詞のタイプを分類する働きをするからです。すなわち waiting people は 「現在待っている人々」とか「そのとき待っていた人々」という意味ではなく 「待ち人」 とか 「待つ人々」 のような意味合いで,人のタイプを述べる言い方になります。同様に,a sitting girl は 「現在座っている少女」 とか 「そのとき座っていた少女」 ではなく 「座る少女」 と少女のタイプを示すことになります。

 sitting girl (座る少女) 

* 夢見る少女 (dreaming girl) と同種の使い方で,絵画のタイトルなら使えそうだが,一般的には不自然。
先の a sitting girl over there という例は,over there が girl を修飾し 「そこにいる 座る少女」 となるので不自然。



 waiting people (待ち人,待つ人々)

* 「待つ人」 というのは遊園地や人気飲食店で見かけることであり,人の分類としては一般的と考えられる。 先の間違い例である waiting people to get in は 「中にはいるための待つ人々」 で waiting people 自体は不自然ではないが,people to get in (入るための人々) の部分が不適切。

(注) このような 「一般的に使える使えない」 の判断はかなり英語に慣れている人でないとつきません。日本語で考えて使えると思っても必ずしも英語では使えません。


Lesson 96

例文2


二つ目の例文 ‘Anyone interested in volunteering can call 0120-911-911.' の can についてですが、読み下し訳文では「できる」となっており、テキストの訳文には「できる」という可能を表す言葉ではなく、「して下さい」になっているかと思います。このcanの使い方について、日本語と英語とでの表現の違いがどうして出てくるのか教えてください。日本では、電話番号を載せるときには「(その番号に電話をかけることが)できる」という表現はしませんが、英語圏では、こんな場合canを使うのが主流なのでしょうか。


この can は 「そうすることが可能である」「そうしてもよい」 という意味です。
Anyone interested in volunteering can ... は「ボランティアに興味がある人は誰でも…することができます」 という意味で 「ボランティアに興味があれば…してください」 と言う場合の表現方法の一つです。日本語よりストレートで,偉そうに聞こえるかもしれませんが,失礼ではありません。よく使われる表現方法です。 If you are interested in volunteering, please call ... のコンパクトな代替表現です。

英語の方が日本語よりもストレートに表現する(ことが多い)という理解でよいと思います。




Lesson 97

例文1


to have 以下を使役の表現で使って

I'm sorry to have you keep waiting.

という表現は駄目でしょうか?




"駄目" の意味がよくわかりませんが...

テキストの日本文は "単純" に 「あなたを待たせてしまってすみません」 といっていますが,「have + 人 + 動詞の原形」 は 「人に頼んで・指示して〜させる」 という意味ですから,I'm sorry to have you keep waiting. は 「あなたに頼んで・指示して待ち続けるようにさせてすみません」 になります。あえて文の構造を "複雑" にしてまで 「頼む・指示する」 という意味合いを込める必要はありません。


Lesson 98


補語に置かれる現在分詞について


「知覚動詞+目的語+現在分詞」 における 「現在分詞」 は 「しばらく続いている状態」 を表します。このことは能動態の現在分詞 (例文1〜4) と受動態の現在分詞 (例文7) の両方に当てはまります。例文1〜4と例文7が 「しばらく続いている行為や出来事」 である点を確認してください。

一方,「知覚動詞+目的語+動詞の原形」(Lesson 58の例文)における 「動詞の原形」 と,「知覚動詞+目的語+過去分詞」 (例文5と6) における 「過去分詞」 は通常 「瞬間的な行為や出来事」 を表します。

この違いは英文を正確に理解したり,書いたりする上で重要になることがあります。この点についての詳しい解説は ALL IN ONE で行われます。


Lesson 98

例文1


聞こえてくるということであれば、could がなくてもいいような気がしますが、could の有無によって何か言いたいことが違ってくるのでしょうか。


 (a)  I heard ...  

 (b)  I could hear ... 


(a) は 「勝手に聞こえてきた」,(b) は 「耳を傾けると聞こえてきた」 という意味です。
(a) は主語の自発性が感じられませんが,(b) は主語の自発性が感じられます。
但し,どちらも和訳すると 「…が聞こえた」 になります。


Lesson 98

例文7


補語に「being + 過去分詞」を置くのとただ「過去分詞」を置くのとでの違いがよくわかりません。


「being + 過去分詞」 は 「…されているところを」 という意味で,一般にその行為の「一部分」を知覚する場合に用います。

「過去分詞」 は 「…される」 という意味で,一般にその行為の「最初から最後まで」を知覚する場合に用います。

hear を例に取ると,

hear + O + being 過去分詞 
(Oが…されているところを(部分的に)耳にする)
hear + O + 過去分詞    
(Oが…されるのを(最初から最後まで)耳にする)
 
一般に 「being + 過去分詞」 は 「しばらく続いている行為」 を表し,「過去分詞」 は 「すぐに終わる行為」 を表します。

テキストの 「悪口が言われているのを耳にする」 は 「しばらく続いている行為」 の 「一部分」 を聞いているわけです。

「ホテルが建設されているとこをを目にする」 という場合も,「しばらく続く行為」 の 「一部分」 だけを目にすることなので,see a hotel being built にします。 see a hotel built なら 「建設の最初から最後までを見ている」 ことになるので不自然な英語になります。



Lesson 98

例文7


長い文の意味の取り方について


Re-Start は短い文がほとんどですが,この例文のように少し長めのものもあります。

長い文がうまく処理できない時は意味の固まりごとにいくつかに区切って,区切った範囲ごとに訳してみると理解しやすくなります。次の例を参考にしてください。

It's unpleasant / to hear bad things being said / about other people.
それは不愉快だ/(それとはつまり)耳にすること・悪いことが・言われているのを/他人について。

 * It は仮の主語で to hear ... を指します(Lesson 70 (1))。

どこにスラッシュ(/)を入れて区切るかの判断は難しいかもしれませんが,上記のように 「前から訳し下げて」 意味を取れば自然とコツがわかってくるものです。

Re-Start は一読できる短い文がほとんどなので,上記のように 「訳し下げ」 の和訳を (関係代名詞の章を除き) 掲載していませんが,このように長い文を前から訳し下げて意味を取り,「英語の語順」 で理解する習慣をつけることは,長い文の処理を上手に行う助けとなるだけでなく,英語を速く読む訓練とリスニングの予備訓練になります。

Linkage Club の教材では english x english と ALL IN ONE の両方でこの 「訳し下げて理解する」 訓練ができるようにしてあります。


Lesson 99

例文1




I want something done about this. を I want something to be done about this. と言い換えできますか?


できます。
このような言い換えの疑問が生じた時の解決方法としては,まず Google の検索で “I want something to be done about this.” と打ち込んで,英語のサイトで同じ英文がたくさんヒットするかを確かめてみてください。 Google の検索でヒットする英文が100%正しい用法である保証はありませんが,この英文のように数万件のヒットがあれば一般的な用法と考えることができます。


Lesson 99

例文2


Lesson 99 の have+O+過去分詞 は、Lesson 66 の NOTE と同じことを説明していると考えていいのでしょうか。


どちらも第5文型の用法で,「O と 過去分詞」 の間に 「Oが…される」 という関係があるという点では同じですが,意味は同じではありません。

Lesson 99 の例文2と3は 「Oが…されるように人に(頼んで・指示して)してもらう)」 という意味。

Lesson 66 NOTE の例文5は 「Oを…されるという目に遭う」 という意味です。

一般に,「have + O + 過去分詞」 は 「Oが…されるように人に(頼んで・指示して)してもらう)」 の意味に解釈されます。ですから,「Oを…されるという目に遭う」の意味で用いる場合は,文脈からその意味にしか解釈できないことが明確でなければいけません。


Lesson 99

例文3


文脈によっては、「私たちは夕食に宅配されたピザを食べています。」という意味になることもありますか。


ありません。「宅配されたピザ」 というなら delivered pizza (delivered が pizza を修飾) とし,以下のようにします:

 We're having/eating delivered pizza (for dinner).

* 「今食べている」 はそれが夜のことですから for dinner は蛇足です。



Lesson 99

NOTE



*印の補足説明は以下のことを言おうとしたものです。
(第2版の初期の刷では,この補足説明に不適切な箇所がありますので,以下の説明でご理解ください)



Note の表は言わば 「試験によく出る公式」 です。現時点ではこの表通りに 「目的語と補語の組み合わせ」 を覚えておいてください。ネイティブが第5文型で have と get を用いる場合はたいていこの表の組み合わせ通りになります。

但し,この表の組み合わせ通りにならない例外もあります。

例えば get が 「get + O(物・事) + to 動詞の原形」 となることもあります (この例は Lesson 55 の例文1 を見てください)。

また,次のように, have が 「have + O()+過去分詞」 で使われることもあります。

 You should have your child examined by a specialist.
  
your child (あなたの子供が) examined (検査される)
  [和訳] お子さんを専門医に診てもらったほうがいい。

【比較】 ( 「have + O(物) + 過去分詞」 という公式通りの例)
 You should have your eyes examined by an ophthalmologist.
  
your eyes(あなたの眼が) examined(検査される)
  [和訳] あなたは眼を眼科医に診てもらった方がいい。

また,口語のくだけた言い方では,get が 「get + O () + 過去分詞」 となるケースもありますが,現時点では無視してください。
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