下記は2011年度の東京大学(前期日程)の入試問題の一部 (設問5の(4)) です。

この問題を解いてみてください。




come by という大学受験用英熟語集に載っていなさそうな熟語が問題になっています。 
当然,大半の受験生は知らない熟語なので即答ができません。 仕方なく時間をかけて前後の文脈ないし段落まで読まざるを得ません。 

無論,東大側も come by を受験生が知っていることをあまり期待してはいません。 前後の文脈からその意味を推測できる力を見ているのです。 しかし,英語のできる人間は come by の意味はすぐにピンときます。 これは比較的よく用いられる表現であり,特に easy to come by のようなコロケーション(=単語のつながり) で用いるからです。

さて,下記は ALL IN ONE の137頁の例文とその解説です。

この頁を熟読後,もう一度,先の東大の問題を解いてみてください。




ALL IN ONE の例文は A good boss is hard to come by. (よい上司は手に入りにくい) です。  hard to come by と東大の問題の not, after all, easy to come by が同じコロケーションになっています。
 
よって,答えはイの obtain (手に入れる) だとわかります。

もし受験生がこの ALL IN ONE の例文をしっかり学習していたら,東大のこの設問は10秒で正解できていたでしょう。


ALL IN ONE の例文には次の特徴があります:

◆ 英文は単語,熟語,文法を絡めた作為的・人工的なものであるが,コロケーションが自然であり,ネイティブがよく用いる形であること。

◆ 英単語や熟語の選定が大学受験の過去問のデータに囚われず,現代英語でよく用いられるものを厳選していること。

その結果,この東大の問題のように,大学受験用の参考書では解けない問題が簡単に解けたりします。

特に上位層の受験生にとっては,単語・熟語・構文・文法・読解をバランス良く身につける参考書として,使用する価値が十分にあると思います。