ALL IN ONE の内容に関するQ&A(例文51〜100)  


 
例文 項目と内容  

 
51
Grammar & Usage


G&Uに挙げている動詞は、目的格補語の to Vb が仮に to be...と言う形になっても to be を省略できないと説明があります。しかし、want, would like, getに関しては目的格補語に過去分詞をto beなしで置く事ができます。そう考えるとto beを省略できないと言う解説は矛盾がある様に思えるのですが?


厳密な説明を行うと次のようになります。

まず,want, would like, get はいずれも 「動詞+目的語+to be 名詞」 が可能ですが,(50のG&Uの動詞のように)to be を省略して 「動詞+目的語+名詞」 の形にすることはできません。

 ○ want him to be a better father → × want him a better father
 ○ would like him to be a better father → × would like him a better father
 ○ get him to be a better father → × get him a better father

 (注) get him a better father は 「彼によい父親をあてがう」 という第4文型としてなら正しい文。

しかし,want と would は 「動詞+目的語+to be 形容詞」 と 「動詞+目的語+to be 過去分詞」が可能で,どちらも,to be を省略して,それぞれ 「動詞+目的語+形容詞」「動詞+目的語+過去分詞」 の形にすることができます。

  want it to be ready → want it ready
  would like it to be ready → would like it ready

  want it to be done → want it done
  would like it to be done → would like it done

get はそもそも 「動詞+目的語+to be 形容詞」 と 「動詞+目的語+to be 過去分詞」 が一般にあまり用いない(ぎこちない)形です。しかし,「動詞+目的語+過去分詞」 の形はよく用いる一般的な形です。

  get it to be ready
  get it ready

  get it to be done
  get it done

つまり,get は(第5文型の have と同じように)の形が通常の用法だということです。「to be が省略できる」 という言い方をすると 「get+目的語+to be 形容詞/過去分詞」 という元の形を容認する印象を与えるので,できれば避けたいところです。
 

 
54 Grammar & Usage

 

on the condition that 〜 の節の中の動詞は、手持ちの辞書には原形にすると書かれていました。 現在形と原形のどちらも可能なのでしょうか。

調べた辞書は以下の3冊です。

・学研 スーパーアンカー英和辞典 第4版 (原形にすると明記されている)
・Longman Advanced American Dictionary (例文のみ)
 Two employees agreed to speak to us on condition that they not be named.
・小学館 プログレッシブ英和中辞典 第4版 (shouldが省略できる例文、shouldを入れるのは英略式)

よろしくお願いします。


 
テキストにあるとおり 「現在形」 (主節が過去形の場合は 「過去形」 が一般的です。 on (the) condition that ... の例文を主要な英英辞典の用例で見てみると 「原形」 を用いず,「現在形」(もしくは「過去形」) を用いていることがわかります:

I'll come to the party on the condition that you don't wear those ridiculous trousers! (Cambridge)

He was released on bail on condition that he did not go within half a mile of his mother's address. (Longman)

They agreed to lend us the car on condition that we returned it before the weekend. (Oxford)

He spoke to reporters on condition that he was not identified. (Cobuid)


また,will+原形 (過去形の文なら would+原形) にする用例も見られます:

They spoke on condition that their names would not be used in the article. (Macmillan)

英和辞典で説明されている 「on (the) condition that ... (should) 原形 ...」 という形が間違いだとは言いませんが,特に覚える必要はないと思います。
 

 
54 キーセンテンス

 
例文の“transport”の目的語はどれにあたるのでしょうか?
Words, Phrases, & Patternsでは他動詞とのことなのですが、例文中では自動詞で使われているように思えました。
念のため辞書(ジーニアス英和辞典 4版)で確認しましたが、名詞と他動詞での使われ方しか表記されていませんでした。
例文中では、transportは自動詞として使っているのでしょうか?
もしくは、私の構文の取り方が間違っているためこのように取ってしまったのでしょうか?

※ 同様に例文40のcommandも例文中では自動詞のように感じました。
これは辞書に自動詞としての使い方もあるとのことなので自動詞と解釈しました。

 
ここでの transports は他動詞です。目的語は大きく捉えると up to five tons of their freight です。1語に限定すると tons です:

transports up to five tons of their freight
他動詞 tonsを修飾 目的語 tonsを修飾

例文40の command は say と置き換えて考えることができるので,他動詞と取るのがより一般的ではないでしょうか。その場合,目的語は "Be alert! ... your life." になります。このような,引用符前の動詞が他動詞か自動詞か,は専門的な問題でその判断に実用性はありませんので,あまり気にしない方がよいと思います。
 

 
55 キーセンテンス

 
to encourage 不定詞の意味上の主語はどう解釈すればよろしいでしょうか?

[1]一般の人 ?が意味上の主語
一般に(一般の人々が)=S(主語)がそれらの(them)購買を促進させる(V)為にチョコやガムをレジの脇に置いている。

[2] to不定詞の前の文全体が意味上の主語
"チョコやガムをレジの脇に置くこと"=S(主語)がそれらの(them)購買を促進させる(V)

[3]その他

 
[2] と考えるのが自然です。
to不定詞の意味上の主語(=行い手)は文の主語(ここでなら Chocolate ...batteries) と一致することが多いのですが,この文のように 「文全体」 を意味上の主語と解釈するのが自然なケースも多々あります。

 

 
57 キーセンテンス

 
He was just given injections and medicines... とありますが、これだと 「注射と薬を投与された」 という過去の1回の出来事を表すのではないでしょうか。訳のように 「投与されていた」 を表すには、複数回にわたって投与されたことを示唆するような表現法(進行形や完了形?)が別にあるのではないか、と思ってしまうのですが。

1回の出来事と見なすことはできません。1回に複数の注射(injections)と薬(medicines)が投与されるとは考えにくいからです。また、 He was just given ... のような単純な過去形は、過去の1回だけの行為を指すだけでなく、過去の習慣的な行為を指す場合にも用います。「過去進行形」 は過去において繰り返される出来事を表すのには不向きですし、また 「過去完了形」 は、いつの時点までそれが続いたのかを示す過去の一時点が文脈にない場合は使えません。
 

 
58 キーセンテンス


to make them shine は、to make them shone ではいけないのでしょうか?

shineは自動詞として用います。自動詞は 「...させられる」 という受身の意味をもつ過去分詞形にはできません。よって make them shone とはできません。
 

 
66 キーセンテンス


「her fellow professor」の「her」は「Dr.Gold」のことでしょうか。
また、同僚ののちの発言の「He may be something〜」は「Dr.Gold」の事ではないのでしょうか。
「Dr.Gold」と「同僚」の性別がごちゃごちゃとなっているように感じられます。
ここには登場しない第3者がいるのであれば無理やり理解もできますが。



 her fellow professor の her は Dr. Gold's ということです。
 I have heard her say の he は Dr. Gold です。
 He may be ... の He は her fellow professor です。

全体として 「Dr. Gold(女性)は自分の同僚(男性)を,有名人だがたいした学者ではないと言っている」 という意味です。

この文は「無理やり理解する」必要があるほど自然さを欠く文では決してありませんよ。
 

 
68
Grammar & Usage


I saw a flock of birds flying north. という例文に関する質問です。このような 「知覚動詞+O+V ing」 の文は、必ずSVOCとして扱われるようですが、V ing を分詞の後置修飾と考え、「北に向かって飛んでいる鳥の群れを見た」 と解釈するのは間違ったことなのでしょうか(学校の文法問題であればバツにされると思いますので)。また、この類例で3文型に解釈できるケースがあれば教えてください。

「知覚動詞+名詞/代名詞+Ving」 の形になっている場合は全て第5文型(SVOC)と判断し、(試験で和訳する場合は )「<名詞/代名詞>がVしているのを…する」 と訳して下さい。ちなみに、「知覚動詞+名詞+ Ving」 を (Ving が「名詞」を修飾していると考え)第3文型と取っても、結果的には同じ意味になると思います。例えば、 I saw a flock of birds flying north を第5文型で 「私は鳥の群が北へと飛んでいくのを見た」 としても、第3文型で取り 「私は北へと飛んでいく鳥達の群を見た」 としても言っていることは同じです。
 

 
 

He appeared to have stumbled on a curb and hit his forehead and elbow against a trash can.
で、文の構造としては、(英文そのものの構造と、読み下し訳から考えたのですが)
He appeared
 to have stumbled 〜
 and
(to have)hit his forehead and elbow 〜
で、hitはVp.p.で、共通項目(to have)の省略が起こっていると考えてよろしいでしょうか。

もしそうなら、
Chap19の「共通項目の省略」の部分にそれらしい例文を見つけられなかったのですが、All in One のどこかに記載があったのでしょうか。


はい、その解釈で良いです。従って、hitは過去分詞です。

この共通項目の省略のルールの記載は、本書のGrammar & Usageにはありません。

改訂の際に掲載を検討したいと思います。
 
 
69
その他


例文の中に "a drunken Rick" とあるのですが、"Rick" は人の名前(固有名詞)と思いますため、その前にある不定冠詞である "a" は必要のないものと思っておりますが、不定冠詞 "a" はどのような理由で付ける必要があるのでしょうか?

Rick, Jack, Tokyo のような固有名詞には冠詞(a, an, the)が付かないのが原則です。
これは Rick, Jack, Tokyo が唯一のものであるから、「唯一」 を表す the をつける必要はないし、「複数存在する中の一つ」 であることを示す a をつけるのも理屈に合わないからです。しかしこのような固有名詞でも冠詞をつける場合があります。例えばある人間や国、土地をその側面や性質を述べるために幾つかに分けて考える場合があります。例文の 「a drunken Rick」 がそれです。Rick という人間をその時々の「顔」に応じて複数に分類し、その中の一つである 「酔っぱらったリック」 という言い方をしているわけです。
 

 
72 キーセンテンス

 
冠詞の使い方で、the cathedral, the hymn, the chapel と全てthe が付いているのに、なぜchoir だけ、the choir でなくa choir なのでしょうか?

the は 「唯一」 と考えられるものにつけることばです。「既知のもの=既に認識しているもの」 も(結論的に言えば)「唯一のもの」と見なせます。そこで、「唯一のもの」 と 「既知のもの」 という2つの観点からこの例文の名詞を検証してみましょう。

the cathedral
話し手は自分が the cathedral を歩いていることを前提にして話をしています。おそらく聞き手も話しの舞台がどこの cathedral であるかは既にわかっているはずです。つまり「既知のもの」であり「(文脈から)唯一のもの」 です。

the hymn
"The Lord is My Shepherd" という賛美歌(hymn)は複数存在しない、つまり「唯一」なので the hymn とします。

the chapel
the chapel と the を付けることで「(文脈から)唯一のchapel」、すなわち「その大聖堂のchapel」であることを示しています。a chapel (ある一つのチャペル)とするとこの大聖堂にチャペルが複数存在するかのように聞こえます。

a choir
話し手は 「ある聖歌隊(a choir)の歌う声が聞こえてきた」 と言っているのです。よって、a choir として 「一つの聖歌隊」 とか 「ある聖歌隊」 という意味にします。もしここで既知のものではない(=話の中で初めて登場する)聖歌隊を the choir とした場合、それは 「唯一のもの」 を意図していると聞き手は考えます。その結果、この chapel で合唱をする「(唯一の)その聖歌隊」というのはどういう「聖歌隊」なのか、という余計な推測を聞き手に与えてしまうことになります。
 

 
75 キーセンテンス

 
oppose と be opposed to はどちらも「...に反対である」と書いてありますが、例文の She's opposed to it ... を She opposes it ... と書き換えても問題ないのでしょうか。また、どのようなニュアンスがあるのでしょうか。


書き換えても問題ありません。ニュアンスの違いもありません。

つまり,「…に反対している」 という(習慣的な)状況は oppose と be opposed to の2通りで表せるということです。

前者の oppose は他動詞なので oppose to しないように気をつけましょう。
 

 
87 Words, Phrases & Patterns


1番目、what they[we] call ...の説明で、(ここでのcallは「AをBと呼ぶ」でAが「...」、Bが「what」)とありますが、Aが「what」(目的語)でBが「...」(補語)ではないのでしょうか。

確かにご指摘の通りです。 正しくは  "(ここでの call は 「AをBと呼ぶ」 で A が what,B が 「...」 )"  とすべきです。

この表現の構造を下記に補足しておきます。

S + call + what (A) + B Sは何(A)をBと呼ぶか,SがBと呼ぶのは何か → SがBと呼ぶもの, Sが言うところのB
       ↓
what は文法的に文頭に出す必要があるので以下の語順になる(意味はもちろん上記と同じ)
       ↓
what + S + call + B

 

 
92 キーセンテンス


Public servants are expected to meet the needs of every citizen, regardless of their race, sex, creed, and social status.

この文中の every citizen は単数なので their ではなく,his or her となる方が普通であるように思いますが,この点ご教示くださいませんでしょうか?

それから creed の後のカンマは不要ではないかと思うのですがいかがでしょうか?


まず,1つめの質問に関してですが,

everyで始まる名詞(everyone, every citizen など)は単数名詞です。単数名詞ですから,he or she や his or her, him or her という表現で受けるのが(he, his, him で受ける場合のような)性差別がなく,また文法的にも正確です。

しかし,これらの表現は正確さを追求するあまり簡潔さを書く表現です。公式の堅い文書であれば全く問題はなく,むしろ好ましいのですが,一般的な会話で用いるには表現が堅すぎます。

一般的には they, their, them で受けます。この表現は文法的には厳密ではありませんが,男女差のない表現で,広く用いられているので正しい用法と考えることができます。


次に,2つめの質問についてですが,

3つ以上の事柄を並列で表記する場合のルールは

  A, B, and C     A, B, C, and D

のように,最後の and の前にカンマを付けます。ですから,例文の表記の仕方は正しいルールに則っています。ただ,A, B and C のように and の前にカンマを付けない形も一般に認められています。

 

 
95 キーセンテンス


第1文目の疑問文で、What は文法的にS(主語)なのかO(目的語)なのかがわかりません。

一般に、「What is 名詞/代名詞」 となる場合は 「名詞」 がS、What はC(補語)と考えます。本来なら 「SVC」 が英語の語順なので 「名詞 is what」 なるはずですが、疑問文は倒置形になるので 「What is 名詞?」 の語順になります。一方、以下のように 「What is 形容詞」 や 「What is 副詞(句)」 となる場合は(形容詞や副詞は主語にはなれないので) What が S になります。

 What is wrong?
 何が不都合なのですか?
 
 (wrong は形容詞)

 What is there/under the table?
 そこに/ テーブルの下に何がありますか?
  (there は副詞、under the table は副詞句)
 

 
100  キーセンテンス


the first black person to be elected President のPresident は何故冠詞が付かないのですか?
 
They will probably make him chairman.
(彼らはおそらく彼を会長にするだろう。)

上記の例ではchairman に冠詞のthe がついていませが、本来なら唯一の存在である chairman には冠詞のthe が付きます。 しかしbe 動詞の補語(下記(a))や第5文型の補語(下記(b)と上記の英文)に chairman, President, captain などのポストを表す名詞が置かれる場合は冠詞(the と a/an)を省略するのが一般的です:

 (a) He is chairman of the Finance Committee.
   (彼は財政委員会の議長だ。)

 (b) They elected him chairman of the Finance Committee.
   (彼らは彼を財政委員会の議長に選出した。)

また第5文型を以下のように受身にした場合も、補語にポストを表す名詞が置かれる場合は、下記(c)のように、冠詞を省略するのが一般的です。

 (c) He was elected chairman of the Finance Committee.
   (( (b)を受身にした文))
 
 

 
例文101〜200

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